いつもご利用、ご来店いただきありがとうございます。
3月12日(土)コーヒーとチーズのペアリング(マリアージュ)のセミナーを
行いましたのでその様子をお伝えします。
チーズは元々牛乳ですので、コーヒーとの相性はよいのですが、土地風土、
製法と牛、羊、山羊などを含む、タイプによって様々な印象を讃えます。
また、同じくコーヒーも土地風土、生産処理、品種によって様々な風味が
ありますので、様々な味わい、様々な組み合わせが生まれます。
【味わい方のコツをレクチャー中の石川さん】
今回ご用意したチーズとコーヒーは各5種
1.ピエール・ロベール(イル・ド・フランス圏/白カビタイプ)
→グアテマラ・ラ・ベンディシオン/グアルディオラ
無殺菌乳にクリームを添加して造られただけあって質感が素晴らしく
ベンディシオンの質感とよくマッチし冷めていく過程でどんどん甘みと
ミルク感が広がりました。
2.ヴァランセ(フランス・サントル圏/シェーブルタイプ)
→パナマ・ルイート・ゲイシャ/フーリーウォッシュト
酸味を感じるやわらかな香りと優雅さと豊かな酸味を持つ、ルイート
ゲイシャは冷めて行くにつれコクが出てきました。
熟成が進み酸にまろやかさと甘さが引き立ったヴァランセを複雑な
ルイートゲイシャの酸味が包み込むという一体感がよかったです。
3.フルール・ド・ピエール(フランス・フランス・アルザス圏/ウォッシュタイプ)
→エチオピア・イルガチェフェ・コカーナ
コカーナの様々なフルーツの風味と冷めてから訪れるミルクチョコの
ような甘さとなめらかな質感が素晴らしく、長い余韻を愉しむことが出来ます。
このチーズは蒸留の過程でホップの生花が使われていることで、合わせたときの
華やかさの共通点もあり、興味深かったです。
4.スティルトン(イギリス・ノッティンガム州/青カビタイプ)
→ケニア・カリンガ
有名な英国の傑作、スティルトン。
まさかコーヒーの現場で出会うとは(笑)
カリンガが持つ、カシスや完熟フルーツの甘さが濃厚な質感と相まって
共に引き立て合うペアリング。このスティルトンは、伝統的な手法を守り
続けている「クロップウエル・ビショップ社」製。
5.ミモレット・エクストラ・ヴィエイユ(フランス・ロレーヌ圏/ハードタイプ)
→コスタリカ・シュマバ・エチオピア/ゴールド・ハニー
比較的多くのコーヒーとの相性がいいミモレット。
熟成度の違いによってはカラスミのような味わいにも似ています。
今回ご用意いただいたのは18ヶ月以上と熟成度でした。
よく噛むとやさしいミルクの甘みが口に広がり、濃厚な味わいが
ブラウンシュガーや重めのベリー系フルーツの風味と相性がよかったです。
おしまいに
マリアージュ(ペアリング)広がりを強く感じましたし、コーヒーの
可能性がまたひとつ広がりました。
熱心に耳を傾けていただいたご参加の皆様に心から感謝いたします。
そもそも、チーズを勉強したいと相談したのが古いお付き合いとなる
フードライターの深江園子さん。そこから数名の道内の酪農家さん、
生産者の皆様をご紹介いただき、更にチーズ&ワインスクールを
主宰されている石川尚美さんをご紹介いただきました。
その流れからフェルミエ札幌店の工藤店長へと繋がり、ものすごい
スピードで今回のセミナーへと発展したのであります。
またがんばります。
横井珈琲 横井力
2016.03.15
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