パナマには「ボケテ」「ボルカン」「カンデラ」の三つの主要なコーヒー生産地域があります。
この「エリダ農園」を含め、私たちが長くお付き合いのある農園の多くは「ボケテ地区」にあります。
この農園は、1918年よりラマスタス一家によって営まれています。
中米でもっとも高い火山のひとつバル火山の裾野に位置します。
また、標高1,670~1,980mにあり、国内ではもっとも標高が高い地域に位置しています。
エリダ農園はパナマの国定公園内にあり、敷地全体で64ha、このうち30haでコーヒーが栽培されています。
農園は国定公園の保護林に囲まれ、他の木を切り倒してコーヒーを栽培することは出来ないがオープンスペースがあり、
そこで他の木を切らなければコーヒーの木を植えて良い事になっています。
標高が高くなると、寒暖の差があるため、コーヒーの生育にはとても厳しい環境であり、
コーヒーチェリーが赤く熟するまでにはとても時間がかかります。
また、同じ木になっているチェリーであっても、一度で全てのチェリーが熟すわけではありません。
そのため、何度も繰り返し行き来を続け収穫を行う必要があるため、コストもかかりますが、
コーヒーチェリーの比重が重くなり、香りや酸の質がとてもユニークで豊かになります。
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パナマといえば、ゲイシャという品種が注目される前と後で、
コーヒーの歴史がかわったことで知られています。
それは、ある特定の区画のロットから、エチオピア・イルガチェフェを
彷彿とする華やかな香りを有するコーヒーが発見されたことにはじまり
2004年のベスト・オブ・パナマという品評会では、
当時の最高価格でエスメラルダ農園が落札されて以来、現在もその人気は続いています。
パナマは他の中米諸国とは大きく異なる点があります。
それはコーヒーの生産国にして消費国ということです。
年間10万俵のコーヒーが生産されますが、その70%が国内消費に当てられており、
さらに地方消費のために不足分のコーヒーを輸入している国でもあります。
また、生産国でありながら主要産業はコーヒーではなく、金融、物流、パナマ運河がメインです。
パナマ訪問の際にお伺いした、ゲイシャにまつわる興味深いお話をご紹介いたします。
同じゲイシャでも「葉の色で品質が異なる」ということです。
ゲイシャは葉の色によって「グリーンティップ」と「ブラウンティップ」で区別されることがあります。
「グリーンティップ」の方が純粋な(交配していない)ゲイシャ種に近いそうで「ピュアゲイシャ」とも呼んでいました。
「ブラウンティップ」は自然交配などによって、純粋なゲイシャ種とは若干の違いがあるそうです。
「グリーンティップ」の方が「ブラウンティップ」と比べ、より品質が高いです。
この違いはカッピングによって発見され区別をするようになりました。
このエリダ・ゲイシャ・グリーンティップは、
とにかく素晴らしくクリーンな味わいと、花を思わせる香り、様々なフルーツの風味がとても印象的です。
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生産者:ラマスタス一家
農園名:パナマ・エリダ
地域:チリキ県 ボケテ地区 アルト・キエル
品種:ゲイシャ
生産処理:フーリーウォッシュト
標高:1,980m
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販売歴
2015年4月18日〜
2015年12月26日〜
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