今回初めてご紹介するロットは、アグリカブ社が所有する農園のひとつ、
「エル・フエルテ」のピーベリーのロットです。
ピーベリーとは「丸豆」とも呼ばれ、小粒でコロコロとしたかわいらしい形をしています。
本来、コーヒーチェリーの中にはふたつの種が向き合って入っています。しかし、それが稀に
ひとつしか入っていないものがあり、丸い形に生長したものが「ピーベリー」と呼ばれています。
今回ご紹介するロットは、カトゥーラ種ピーベリーのみを集めたものです。
ピーベリーは通常のフラットビーンズに比べ、甘みが優れていると言われている通り、このロットは
まろやかでとても甘みがあります。
さて、農園があるサマイパタはボリビア第2の都市サンタ・クルスから車で2時間程の地域で、世界遺産の
サマイパタの砦があることで有名な地域です。
これまでラ・パス県ユンガス地方のコーヒーを紹介してきましたが、サンタ・クルス県のコーヒーをご紹介
するのは今回が初めてです。
元々輸出業者であるペドロさんは、2012年より自社のコーヒー農園を所有し始め、現在は11の農園を
所有しています。今回ご紹介するエル・フエルテ農園は、2013年より運営しています。
コーヒーの木は、定植してから3年経つと本格的な収穫ができるようになります。
今回ご紹介するこちらのロットを含む2016年の収穫は、同農園にとって初めての本格的な収穫となりました。
自然そのままの山の斜面を切り拓くところからはじまりましたが、ピッカーの方々の手が足らず
教育を進めなければならない課題も抱えながらもはじめて届けられたコーヒーは大変素晴らしい
もので、ペドロさんの熱い想いと意気込みを強く感じ、心が躍りました。
ボリビアでは元々、鉱山で働いていた人々が集団居住を行い、「コロニー」というコミュ二ティ(村の様なもの)
を作って生活しており、これらの人々に土地が与えられコーヒー栽培が伝わり、ボリビアでのコーヒー栽培が盛ん
になりました。その多くは大変小規模で家族単位で農園を営んでいます。
このような歴史的背景から、「管理、手入れをしてコーヒーを栽培する」というよりは「コーヒーの実がなったから
収穫しに行こう」という様な感覚のもと、、コーヒーを栽培しています。
そのため、農家の方たちは原生林の中で何もせずにコーヒー栽培をしている所が多いため、収量が落ち、生産性が
悪くなっており、現在ボリビアではコーヒー栽培からコカ栽培に転じる生産者が多く、これまで多くのコーヒーが
生産されてきたコロイコのとある地域では5年前の収量の1%にも満たないところまで激減しているそうです。
それには、現在の政府がコカイン原料としてのコカの栽培に厳格ではないため、コロイコやカラナビ
ではコカ栽培がどんどん盛んになっており、正直なところ生産者にとってはコーヒー栽培よりコカ栽培
の方がお金になりますし、コーヒーの収穫は年に一度ですが、コカは数回収穫があり単価も高い。
このことからコーヒーからコカへの転作は増え続けています。
そのことに危機感を覚えたペドロさんは、自社農園の経営を始めました。
(コカは、精製すれば麻薬コカインの原料=非合法、お茶の原料としても利用=合法)
周りの自然環境に配慮しながらも農園の開拓を行い、剪定や施肥など、コーヒー栽培に必要な管理を行っている
ペドロさんの農園はどれもコーヒーの木が生き生きとしており、ボリビアでは「奇跡」や「魔法」の様に捉えられ、
「ペドロさんのコーヒーの木は特別な木なのではないか」と言われているそうです。
横井珈琲はじめてのご紹介となる、ボリビア・エル・フエルテ。
たくさんの熱い想いにおいしさを乗せてお届けいたします。ぜひご賞味ください。
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
生産国:ボリビア多民族国
地域:サンタ・クルス県 フロリダ サマイパタ
生産者:ペドロ・ロドリゲス・ペニャリエータ
農園:エル・フエルテ
標高: 1,550~1,750m
農園面積:約36ha
コーヒー栽培面積:10ha
品種:カトゥーラ
生産処理:ウォッシュト/アフリカンベッドでの乾燥
収穫時期:9月
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
販売歴:
2017年7月10日〜
記事はありません。