2月7日(土)に yokoi coffee_jam vol.08 を開催いたしました。
このセミナーの模様をご報告させて頂きます。
今回で8回目の開催となった yokoi_coffe jam 。
このセミナーを簡単に説明すると「フードペアリングセミナー」です。
「jam」とは、jazz演奏における即興を指すときにも多く使われる言葉です。
「新しいフレーズを探したり、しっくりくるアレンジを見つけたりする作業」、
あるいは「懇親のために集まって演奏することや、一緒に練習したりすること」を指して使われます。
みなさんに集まっていただき、セミナーを通じて愉しく新しい発見をして頂きたい。
そんな想いから「yokoi_coffee jam」と名付けました。
さて、今回のyokoi_coffee jamでご用意させていただいたのは、
「中山農場のチーズ」です。
「中山農場」は北海道別海町にあります。
「高品質で美味しいチーズをつくるためには?」と考えると、
「高品質で美味しい牛乳が必要である」と言うことは素人でも想像に難くないと思います。
それをプロ目線からすべてにこだわり、実践されているのが「中山農場」です。
※詳しくはこちらをご覧ください。
出会いは百貨店の催事会場。
たまたま隣に出店をされていたときにお会いしたのが、河野さんと佐藤さんでした。
なんと言っても一番の衝撃は「味わいのきれいさ」です。
しっかりと後味に「牛乳」を感じるチーズでした。
美味しさの理由を伺うと、大きく以下の2点を挙げていらっしゃいました。
◎乳牛を大切にしている
美味しいチーズは美味しい牛乳から。美味しい牛乳は健康な牛から。
牛のカラダを作る水や牧草、しっかりと計算された混合飼料が与えられています。
そして、乳牛へのストレスを軽減するための工夫もされています。
◎中山農場の環境を活かす
中山農場の牧草地には世界有数の透明度を誇る摩周湖の美味しい伏流水がたたえています。
そして、恵まれた農地でされに工夫と努力を重ね質の高い牧草も作っています。
ここでしか手に入れることのできない環境を活かしチーズ作りをしています。
この美味しさの理由にとても感銘を受けました。
コーヒーの生産国に置き換えて考えると、
◎生産者の方々がコーヒーノキに愛情を込めて大切に育てていること。
◎テロワール(農園の環境)を活かすコーヒー作りをされていること。
以上のことと共通していると言えるでしょう。
これは横井珈琲でご紹介をしているコーヒーと大きく共通しています。
【味わいがとてもきれいであること】
【生産国の生産者の方々と繋がる取り組みに感銘を受けたこと】
この2つが今回のjamを中山農場様にお手伝い頂き、一緒に開催させて頂いた大きな理由です。
+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+
それでは、今回ご用意させて頂いたコーヒーとチーズのペアリングをご紹介いたします。
画像をご参照ください。
今回のjamでお客様よりいただいた一番多かったご感想は、
「コーヒーとチーズは相性いいの?と思っていました」
でした。
セミナーの受付期間にもこのことを良くご質問頂きましたし、
今、このBlogをお読み頂いている方の中にはそれを疑っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
結論から言うと、ばっちり合います。
考えてみると、
「ラテ、カプチーノ」「コーヒーとチーズケーキ」=「コーヒーと乳製品」
意外と身近にある組み合わせです。
さらに、中山農場のチーズの味わいはとてもきれいですので、
味わいのきれいなコーヒーとの相性がばっちりです。
× × × × × × × × × × × × × × × × × × ×
「ワインとチーズ」はマリアージュと呼ばれ、とてもメジャーなペアリングの一つです。
いろいろなところでこれに関するセミナーも開催されるほどです。
ここからは私の個人的な感想ですが、「コーヒーとチーズ」の方が
お客様にとって愉しみやすいのでないかと感じています。
ワインとコーヒー。
この2つの飲み物は味わった後の「口内温度」が異なるのではないでしょうか。
「ワイン=常温以下の温度」が一般的なのに対して、
「コーヒー=常温以上の温度」であることが一般的かと思います。
ワインと比べたときに、コーヒーを飲んだ後の方が口の中の温度が高いため、
チーズが口の中で溶けやすい状況であると言えると思います。
つまりチーズの印象がより感じやすく、これにより違いが分かりやすく
より愉しみやすいのではないかと思います。
× × × × × × × × × × × × × × × × × × ×
今回のjamは、簡単に横井珈琲のこと、コーヒーの生産国のこと、中山農場のこと、チーズのこと、などを
説明させて頂いてからペアリングがスタートしました。
チーズが「フレッシュタイプ」と「熟成タイプ」の2タイプをご用意頂きましたので、
ペアリングもそれぞれのタイプ毎に区切って行いました。
以下、今回ご参加頂いたお客様から人気のあったペアリングをご紹介いたします。
~フレッシュタイプ~
【モッツァレラ】
・バレンタインブレンド(※2/14終売)
バレンタインブレンドとのペアリングが圧倒的に人気がありました。
【カチョカバロ】
ホワイトデーブレンドとのペアリングが圧倒的に人気がありました。
~熟成タイプ~
【ゴーダ(3ヶ月熟成)】
ホンジュラス・マリア・アルカディア・ベハラーノとのペアリングが圧倒的に人気がありました。
そして、河野さんと佐藤さんが
「ナンバーワンペアリング!!」と口を揃えて仰っていたのもこのペアリングで、
口一杯に広がる鼻からすーっと抜けていく風味と完璧に調和のとれた味わいは、
なんとも他に例えようのない素晴らしさでした。
【酒粕】
このペアリングが今回のjamで一番の盛り上がりましたので、少し詳しくご説明させて頂きます。
* * *
「酒粕チーズ」は3ヶ月熟成させたゴーダチーズを2ヶ月間酒粕床に漬け作られています。
もともとは「日本酒に合うチーズをつくりたい」ということで開発しましたが、
今ではお酒が呑めない方にも人気のチーズです。
根室の「北の勝」でお馴染の碓氷勝三郎商店様の酒粕を使用しております。
酒粕が手に入る時期は春と秋の年二回のみで、それによってそれぞれ若干風味の異なるチーズができます。
今回の酒粕チーズは春の酒粕で作ったチーズでした。
* * *
これに合わせたのはエチオピアの2種類のコーヒーでした。
この2つは「生産処理方法」が異なります。
簡単に言うと「コーヒーの実(コーヒーチェリー)を収穫してからの処理の方法」が異なります。
この方法に寄っても味わいが大きく変わります。
また、この処理段階において味わいを損ねかねてしまうこともありますので、
コーヒー生産においても重要な段階であると言えます。
「チェンベ」はナチュラル、「ボルボーヤ」はウォッシュト、と呼ばれる処理方法です。
詳しい説明はここでは省略させて頂きますが、
面白いことにここでも「コーヒーの生産」と「チーズ作り」の共通点があります。
1本のコーヒーノキから収穫された同じコーヒーチェリーでも、
生産処理方法を変えることによって異なる味わいのコーヒーができます。
これはチーズにおいても同じことで、1つの牧場で搾乳された同じ牛乳でも、
その後の作り方を変えることで異なる味わいのチーズを作ることができるのです。
この違いが生む、異なる味わいを意識し、
比較しながらコーヒーやチーズを選ぶことで愉しさがより広がるのではないでしょうか。
以上、
yokoi_coffee jam vol.08の報告とさせていただきます。
開催が決まり次第、告知させて頂きますので、どうぞ、次回のyokoi_coffee jamもお楽しみに。
2015.2.16
記事はありません。